青い空に白い煙(スモーク)を引きながら飛行するブルーインパルス。
今回は注目したいのは、そのシンボルとも言える白煙(スモーク)です。
このもくもくはなんだろう?激しい飛行機雲かな?
そう思った方もいるかも知れませんが、残念ながら飛行機雲ではありません。
今回の記事では、ブルーインパルスの白い煙の仕組みを解説していきます
ブルーインパルスの白い煙(スモーク)は何?
スピンドルオイルという潤滑油(じゅんかつゆ)です。
※潤滑油…機械を効率よくスムーズに動かすための油
スピンドルオイルはよく使われている油です。金属を切ったり削ったりするときに使われる潤滑油で、有害なものではありません。
白い煙(スモーク)を発生させる仕組み
オレンジ色の丸がしてあるところは、ジェットエンジンの排気口です。
機体右側のジェットエンジン排気口に秘密があります。
機体右側の「ジェットエンジンの排気口」のアップです。
スモークの発生する仕組みを解説すると…
操縦桿のトリガーを右手の人差指で引くことにより、電動ポンプが作動。
↓
オレンジ色の◯で囲ってあるノズルから、スピンドルオイルが吹き出す。
↓
スピンドルオイルがジェットエンジンの排気熱で気化する。
↓
気化したオイルは、大気中で冷やされ固まり白い煙(スモーク)のようなものが発生。
つまりブルーインパルスのスモークは煙でも雲でもなく、油を気化させ冷え固まったものです。
スモークオイル給油口の場所
機体の上にピンクの矢印がありますね。あの辺りにスモークオイル給油口があります。
スモーク用のスピンドルオイルをそこから補給します。
機体の後ろにスモークオイル用のタンクがあり、最大320リットル入れられます。
一度の展示飛行で使われるオイルは約200リットル。
飛行中に燃料切れの煙切れ(;´Д`)… なんてことはありません!
飛行機雲との違いを解説
ブルーインパルスの白い煙は必ず発生させることが出来ます。
ただ飛行機雲は、飛行機の高度・天候・気温によって発生したりしなかったりします。
飛行機雲は、雲と同じで氷の粒が集まってできた雲。
引用:ウェザーニュース(飛行機雲ができるわけ 天気との関係は?)
飛行機雲の作られ方は2通りあるそうで。
①飛行機の排気ガスに含まれる水蒸気が、冷えて氷の粒になる
②高速移動する飛行機の翼周辺の気圧が低くなり、氷の粒が発生する。
引用:ウェザーニュース(飛行機雲ができるわけ 天気との関係は?)
私達がよく目にする飛行機雲は①の方ですね。
ちなみに飛行機雲が長く残るときは、天気が崩れる予兆らしい。
飛行機雲については「ウェザーニュース」のサイトに分かりやすく解説してありました。
戦闘機が飛行中発生させている煙は?
こちらは「べイパー」と呼ばれる飛行機雲。
飛行機雲の作られ方②の
「高速移動する飛行機の翼周辺の気圧が低くなり、氷の粒が発生する」
と説明されている方です。
ベイパー発生の仕組みを調べていると…
翼の下面から上面に流れ込む空気の流れによって、空気が膨張
→ 空気の温度が急激に低下
→ 空気中に含まれる水蒸気が凝結して氷の粒に
→ 氷の粒が飛行機の移動によって流れると白い筋に、この白い筋がベイパーです。
引用:piyajk.com(翼先端からの飛行機雲(ベイパー)の発生原理)
だそうで。
空気に水蒸気を多く含むとき、または翼に大きな揚力がはたらいているときほど、はっきりと見ることができます。
引用:piyajk.com(翼先端からの飛行機雲(ベイパー)の発生原理)
確かにダイナミックな動きをしているときに見かける気がします。
ものすごく写真映えするんですよね~。
ブルーインパルスのスモークもいいですが、戦闘機のベイパーも写真に撮ってみたいですよ。でも戦闘機は早すぎて、そもそもレンズで捉えられない(-_-;)
以上、ブルーインパルスの白い煙(スモーク)の解説でした!
スモークがカラーだった時代もありました。
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